医者とカイロプラクティック、どちらを先に受けるべきか?
mohamed HassanによるPixabayからの画像
結論;
間違いなく、お医者さんに先にかかるべき! |
これ、このブログでも過去に何度も口酸っぱく言っていますが、未だにお医者さんを素通りして先にカイロプラクティックに来る人がいます。
最近でも、初診のご予約はお断りさせて頂き、先に医療機関に受診することを提案させて頂いた事例がありました。その方はボクサーで、スパーリング中に親指の付け根を痛めて、それが数週間経っても痛いという事でした。
初心者の場合、拳の握り方やパンチの当て方の所為で親指の付け根を痛めることがありますが、この方は経験者のようなので、その場合、ベネット骨折(親指根元の脱臼骨折)の疑いがあります。これはカイロプラクティックの適応外です。当院にお越し頂いても、すぐに整形外科に向かって頂くことになるので、2度手間です。
これはその他、肩や膝、股関節など手足の痛みでも同じことが言えます。例えば肩の痛みで有名な五十肩(肩関節周囲炎)と言われる病気でも、インピンジメント、関節唇損傷、腱板断裂など原因が色々あり、その違いにより治る期間や治りの程度に大分差が出てきます。
中には手術適応例があるにもかかわらず、手術させずにいつまでも引っ張っている治療院もあります。それが本人の希望なら構いませんが、治療院の経営都合で行われているなら問題です。
つまり、原因を特定することがより良い治療や治療期間の予測につながります。これはレントゲン画像だけでは判断は困難で、骨の異常以外の障害、たとえば軟骨の損傷やじん帯の断裂などはMRIなどの他の画像による判断が必要です。
ただし、個人の開業医ではMRIのような設備を持ち合わせていません。大きな病院に限られます。また、そのような検査を行うには特別な事情がない限り、外来初日でいきなり撮影することはあまりありません。MRIは準備含めて40~60分くらいかかりますので。
大抵の場合、何回かそのお医者さんのところに通院し、様子を見て変化が無かったり、経過が悪化するようであればMRIなどの特殊な検査に移行するというのが一般的です。
ここで、もし仮に肩が急に痛くなった人が病院を素通りして、先に施術院を受けたとします。損傷個所が漠然としたまま施術を続け、何カ月も経過したけど症状が改善しなかったとしたら、ようやく病院で精密検査してみては?と提案されます。そこで病院を受診してみると、初診外来では先ず普通はレントゲン撮だけで、後は湿布と痛み止めの薬を処方されるのみです。さらに経過観察といううことで数回通わされ、治りが悪いとそこでようやく精密検査に入ることになります。
仮にこの肩の痛みが酷い腱板損傷からきている場合、手術の方が保存療法より治りがよく治癒までが早い可能性が高いです。一方、インピンジメントの腱や関節包、滑液包の炎症なら手術はやらない方がい良いです。手術してもしなくても結果が同じ、と研究が出ているためです。
仮にここで、酷い腱板断裂が痛みの原因だったとしたら、最初の治療院に通っていた数か月分の時間とお金は無駄になったいます(お断りしておきますと、腱板断裂も小さい部分断裂は充分保存療法が適応ですのでお間違いなく)。
この様な例は数限りなくありますので、まずはどこか異常を感じたら最初に医師を受診し、ある程度の精密検査を受けられて、それでも改善が見られないならカイロプラクティック、はり灸、整体などの代替療法、民間療法を受ける、という手順を踏みことをお勧めいたします。
この手の話題は今までちょこちょこ出していますが、ブログだと過去記事が埋もれてしまいますので、定期的に啓蒙する必要を感じてきます。そんな訳で今回も話題に挙げました。では、今回はこの辺で。