長年の首の痛みでの来院
今日は、ダフィーカイロです。
今回は、長期に渡る首の訴えのクライアント様の症例報告です。
経緯
初回時の聞き取りで判明したことは次の通りでした。
4年前に格闘技で顎にキックを受け、その際右首を痛め、動かせなくなった。徐々に症状は和らいだが、それ以来、首肩の痛みが残る。特に首を捻る動きが痛くて困難を感じる。定期的な筋トレをしたりすると肩の痛みも感じる。
…というものでした。
レントゲンを撮ってきてもらうと、典型的なストレートネックでした(上の写真は関係ありません)。
各種検査の後、関節性の問題より筋肉の問題の方がより原因に近いように判断されたので、筋へのアプローチをメインに採用することにしました。
長期に渡る筋肉の炎症は、筋肉を包む膜(筋膜)に癒着を起こし、それが動きづらさや痛みにつながることが往々にしてあります。
筋膜の構造は、コラーゲン線維やエラスチン線維で出来た網目状の土台に、ヒアルロン酸という基質と水分(間質)が含まれているものになります。筋膜の癒着は、この基質と間質の粘性が増して、動きづらくなったものと考えられています。
その改善を手技で行おうとすると、マッサージの様な圧迫をある程度時間をかけ、熱と刺激を加えないと性状が変わりません。当院ではそこを留意しながら施術することにしました。
経過
施術の内容としては、障害を起こしている筋自体をリリースし、柔軟性取り戻すことと痛みの緩和を行います。また、首と胸の部分との位置関係や、ストレート・ネックの改善など姿勢に関する施術を行います。さらに、これら2点を改善・維持するためのホームケアを指導させて頂きました。
状態は、施術回数を重ねるたびに向上しているようで、2週間間隔でお越し頂き、3回目の時点でフォークリフトのバック走行で後ろを振り向きながらの操作でも痛みを感じなくなった、との事でした。
首の中でも特に痛みを感じる部分があり、それは右の首の上部の部分でした。触ってみると、なにか隆起しているようなとても硬い塊があり、骨の突起かと見間違えるほどでした。首は脂肪腫ができやすい部分でもあるので、念の為、エコーでも確認してみました。
エコー上では頭半棘筋の部分的な硬結のように感じられ、実際その部分のリリースを丹念に行うと、塊の部分のサイズが縮小し、可動性が出てくるように感じられました。エコーでの観察もサイズの縮小が見られました。
脂肪腫である場合、浅い皮下組織に出来る場合が多いですが、一部は筋肉内に出来ることもあります。今回のしこりは脂肪腫の可能性もありますが、リリースでサイズが小さくなるようなので、筋の硬結として処理した方が正解のようです。
その後、施術は1ヶ月おきに行い、5回目の時点でほぼ日常的なは痛みを感じなくってきて、疲れがたまると凝り感・張り感が出るといった程度まで落ち着きました。
あとは、日常的に姿勢改善や肩・首周りのコンディションを整えるための自宅でのエクササイズを行って頂くようお伝えしている最中になります。
まとめ
ストレートネックがあると首の負担がかかりやすい、スポーツや事故の後遺症で首が痛くなりやすい、などよく聞く首に関する不具合ですが、どちらも改善の余地があり、その為の手段も色々あります。
日常生活を快適にすごすためには、カイロプラクティックの施術が一助になることでしょう。
今回はそのような症例のご紹介でした。