足裏の痛み
今日はダフィーカイロです。
スポーツを行っている方の訴えで多くあるものの一つに足裏の痛みです。当院では、マラソン愛好家やダンス・インストラクターなどでの受傷者がいらっしゃいます。
前回・前々回のクラシックバレエの弊害・障害と被る部分もありますが、よく見かける疾患なので、今回一般的な構造原因の解説をしていきます。
1、長腓骨筋腱炎
足の外側のくるぶしの下から、その少し前あたりにかけて痛みがでるようならこの障害を考える必要があります。長腓骨筋腱はスネの外側から足裏にかけて走行している筋肉で、足首を伸ばす働きがあります。図の赤い線。腱の走行は腓骨外果(外くるぶし)でテコの支点のように引っかけ、同じように立法骨でも支点にし、走行方向を変えています。
つま先立ちや、走った時の蹴り出し動作で、この腱が強く立法骨に擦れてしまい炎症を起こすことがあるのです。特に立法骨の障害のためにこの状態が引き起こされることを立法骨症候群といいます。当然、立法骨の矯正が必要です。併せて、長腓骨筋自体も硬くなっている場合が多いので、そこの筋肉を緩ませる必要もあります。
2,中足骨間の硬さ
足の甲の部分の骨を中足骨といいます。指の本数に合わせ5本あります。この骨の間にある筋肉には骨間筋や、虫様筋といった筋があります。これらの筋が硬くなり足のアーチの機能が低下している場合があります(矢印の部位が中足骨間)。
(c)フリーメディカルイラスト図鑑を一部改変
足のアーチが機能低下を起こすと、床からの衝撃を上手く緩衝できないので、そのまま衝撃力が上の膝や股関節、腰などに伝わり、その部位の障害の原因となることがあります。また、アーチが上手く働かないと、中足骨頭(中足骨の端っこ)に負担がかかりこの部位に痛みがでます。
陸上でスポーツを日常的に行っている人はこの部位に負担がかかりやすいので、日ごろからのケアをお勧めします。足は自分でもいじれる部分なので、日常的なケアは積極的に取り入れましょう。当院でもその人に最適なケア方法をご指導させていただいております。
3,足底腱膜炎
カカトから指のほうまで足裏全体を覆っている膜を足底筋膜(腱膜)といいます。足のアーチが機能低下していると、この筋膜が引っ張られる力が加わり、カカトの骨の付着部に骨が飛び出したようなものができることがあります。これを骨棘といい、骨の変形の一種です。このトゲは痛みの原因になることもあれば、ならないこともあります。
いづれにしろ、足底筋膜が炎症を発すると痛みが出ます。足のアーチの機能的低下の他、足首関節の硬さが原因になる場合もあります。足首の硬さの改善は根気がいるので、地道に取り組んでいただきたいと思います。
4,足のアーチの機能を正常に保つために
足のアーチは衝撃を受け止めるためにつぶれ、それを推進力に変えて蹴り出す際、元に戻ります。そのために、カカトの骨(踵骨)、脚の骨との連結部分(距骨)、アーチの形成部分(立法骨、舟状骨、中足骨など)がキチンと機能している必要があります。当院ではこれらの不具合を見つけ、改善させることで症状の回復を目指しています。
また、スポーツで痛めた場合は、急に練習量が増えた、内容を変えたなど原因があるので、それらを探し、練習メニューの改善や練習量を考察する必要があります。
5,まとめ
今回は、当院でよくお見受けした足裏の痛みについて簡単にご紹介させていただきました。これらのことでお困りのことが有ればお気軽にご相談ください。