リモデリングについて
【今回の記事はブログ統合のため、他ブログより転載しました(初出2016年12月)。】
今日は、ダフィーカイロプラクティックです。
今回はリモデリングについて解説していきます。
リモデリングとは組織の再構築のことで、よく病理学や生理学で語られる概念です。この概念は非常に重要で、症状の慢性化を防ぐため、何故、早期治療が必要なのかの根拠の一つになっています。
体を作っている組織は、常に代謝により新しく作り直されています。これをリモデリングといいますが、その際、同じような刺激を受けているとそれに合わせるように組織が作り変えられていきます。
例えば、骨はずっと局所的に同じ所に負荷がかかっていると、その部分が増殖していきます。これが変形性関節症の素になります。
気管支喘息が治りずらくなる原因に気道組織のリモデリングがあります。気道の炎症が続くと、気道粘膜の分泌が過剰になり、炎症細胞が入り込み、毛細血管の増加、コラーゲン線維の増加などにより、慢性的な刺激から気管支の筋肉が厚くなります。これを気管壁のリモデリングといいます。
基本的に、組織の再構築が出来上がってしまうと、元に戻すのは難しくなります。そのため、リモデリングが出来上がってしまう前の早期に、組織が正常な方向に構築されるのを助けてやる必要がでてきます。
組織の再構築はいろいろな場面ででてきます。炎症過程で組織損傷からの回復でも現れます。急性腰痛や、寝違い、打撲、捻挫など筋肉やじん帯の損傷時にも、損傷組織は修復材である肉芽組織に置き換わり、瘢痕組織に移行しますが、この期間は数ヶ月にわたり、コラーゲン線維が分解・合成されリモデリングされているのです。
痛みが治まったからと放っておくと正しくリモデリングされず、硬い瘢痕組織ができあがってしまいます。こうなると元に戻らないので、また何かの拍子に衝撃が来ると、負荷に耐えられず直ぐ損傷するというのを繰り返します。
この様な訳で、何か障害や症状がある場合はとにかく、早期に、しっかりと治していく必要があるのです。
今回は、治療における重要な概念の一つである、リモデリングについてご紹介しました。
では。