子供に姿勢改善をさせたければ
【今回の記事はブログ統合のため、他ブログより転載しました(初出2018年5月)。】
特に痛いとか具合が悪いという訳ではないけれど、姿勢が悪い、側弯症(背中がねじれている)を治したい、ということでお子さんをお連れになる親御様がいらっしゃいます。
今回は、その時の心構えについてご説明していきたいと思います。
姿勢改善と運動訓練
姿勢改善に必要なことは運動。これは外せません。
運動をする目的は2つあります。
筋力
1つは、姿勢の維持には基礎的な筋力が必要だからです。
骨は受動組織といい、それ自体では動くことはできません。筋肉が動かしてくれます。
良い姿勢をとっていれば骨と靭帯のみで身体が支えられると説いている者もいますが、実際にはそうではありません。最低限の必要な骨格を支える筋力が必要です。
その最低限の筋力を発揮するための筋肉が弱まっていると、いざ、良い姿勢をとってみてもすぐに疲れてしまって、良い姿勢からいつもの崩れた姿勢に戻ってしまいます。
楽な姿勢=良い姿勢では、必ずしもありません。
感覚
2つめは、良い姿勢・形を身体に覚えさせるためです。
いつも取っている姿勢を正し、理想の姿勢をとらせると逆に違和感を覚え、いつもの崩れた姿勢に戻ってしまうことがあります。いつもの姿勢と違う姿勢は居心地が悪いので、いつもの姿勢に戻すと落ち着くのです。
これは身体の感覚が正しい姿勢に慣れていないために起こります。
慣れるためには反復訓練が必要です。
姿勢改善の取り組み意欲
これら2つの理由から、お子様に対する姿勢改善も運動・訓練が必要になるのです。
そこで問題になるのが、お子様ご本人の運動・訓練に対するモチベーション。
例えばサッカー好きの子は、放っておいても自主的にサッカーの練習をするでしょう。しかし、いざ姿勢改善のための運動をやってもらおうとすると、自主的にやろうとする子はまずいません!
身体を動かす運動・スポーツと違い、姿勢改善の訓練はじ~っと良い姿勢を保つ、という地味な運動が大半だからです。
要は、つまらないのです!
まあ、これは子供に限ったことではなく、学生や社会人のスポーツ選手にこの手の運動をさせても嫌がる傾向にあります。やっぱり、つまらないから。
そこで重要な運動指導の担い手として、親御さんがクローズアップされます。
親御さんの役割
そもそも、施術院で出来ることは限られています。例えば、1週間おきに施術院に通って頂くとしても、その他の6日間と23時間の施術を受けている時間以外の時間帯は、ご自身でケアをしていく必要があります。この施術を受けている以外の時間帯が重要で、ここを疎かにしているとお身体の改善が順調に進みません。
お子様の姿勢改善では自宅のケアとして訓練を行っていただきますが、その際、親御さまの役割が重要です。日々の練習をキチンと遂行させること。そのためには、もっとも身近にいるご家族の方のお力添えが必要なのです。
しかし、そこで1つ注意があります。
「自分自身のことなんだから、ちゃんとやらないとダメじゃない!と言い聞かせているけど、すぐサボるんですよ~」みたいなことをよく親御様から聞かされます。
でも、ただ説教したからと言って大抵の場合、子供が受け入れて自主的に行ってくることは少ないようです。物事の判断は、理論的に考えるより好き嫌いで行われやすいですからね。
そこで親御様もお子様と一緒に取り組んでもらいたいと思います。
自宅での姿勢検査や運動の補助などは、親御さんが手伝ってあげるべき事であります。
更に言うなら、親御さん自身の姿勢も一緒に改善を取り組んで頂きたいと望んでいます。
親子で姿勢改善!
大抵の場合、親御さんの姿勢もお子さんに負けず劣らず悪い姿勢であることが多いです。そこでこちらから「お母さんも姿勢改善ご一緒にしていた方が良いのではないですか?」とご提案させて頂くことがあります。
そこで決まって返ってくる言葉が「私は大丈夫です!」「私はいいんです!」。
横で聞いてるお子さんも「それじゃあ、私もいーや」ってなっちゃいますよね。
お子さんの取り組みに対して、こんな感じて接してみては?
親御さんは、努力して目標に向かっている子供を励まし、それが達成できるように過不足無く適切な援助をしてあげる必要があります。
この『過不足の無い適切な援助』というのがポイントで、
好き勝手に放置するというのでなく、
過剰に強制して無理やりやらせるというのでもなく、
やたらと干渉して自分の理想に押し込めるというものでもありません。
これは、姿勢改善に限らず全てのことに通用することです。
親のやる気・情熱が子供に伝わります。
親御さんがご自身の身をもって見本を示してあげれば、お子様もついていくでしょう。
それで、ご自身も健康に近づけるなら一石二鳥じゃないですか。
まとめ
今回のお話の要点は、お子さんの健康のために親御さんのご協力が必要であり、そのためには熱意を持って取り組む必要があるということを、ここでは強調しておきたいと思います。
では、今回はこの辺で。
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