好転反応(瞑眩)について考えてみる
【今回の記事はブログ統合のため、他ブログより転載した記事です(初出2014年9月)。】
クライアント様から受ける質問シリーズ第二弾として、「好転反応」について当院での考えを述べていきたいと思います。
著作者: Prachanart
好転反応とは?
好転反応なる言葉は、健康関連の書籍などで最近ちらほら見かけるようになりました。
体が良くなる前の反応として、体の中に潜んでいた悪いものが出てきて、一時的に体調が悪化しますよ、と言うのがあります。これを我々は好転反応と呼んでいます。
東洋医学のほうでは、瞑眩(めんげん)と呼ばれています。
施術する中で、この反応を見ることが結構あるので、実際あることだとは思うのですが、この好転反応とか瞑眩と呼ばれるものは、どういうメカニズムで起こっているのか実はよく解らないのです。
なにせ、そこらの医学系の生理学書や病理学書にはそのようなことは載ってないのです。
施術後の反応の意味は
例えば、どこか施術して、その後そこが痛くなった、という場合があるとしましょう。ここで可能性として考えられるのは、
①瞑眩反応として出た。
→好転反応として出ざる得ないもの。反応が治まると、体調が改善に向かう。
②刺激量が過多。
→狙いややり方は間違っていないが、刺激量が多かったため、神経が過剰興奮などして痛みが出た。興奮が正常化するに従い、体調が改善に向かう。
③単なる悪化。
→施術のやり方や狙っていた事が間違いだった。失敗。
などが挙げられます。
実際に、反応が出た時に上記のどれに当たるかは、正直に言って経過を見ないと分からない部分があります。事前に施術する前に、予想は立てて施術内容は吟味していますが、人は個人個人で色々違います。
反応を抑える為に
例え好転反応として、体が回復に向かう一過程に起こるものであったとしても、やはり受け手としては、痛みなどの負担がないに越した事はないと思います。
そこで、当院では、まず鑑別的施術と言うのをやっていきます。鑑別的施術と言うのは、とりあえず弱くちょっとだけ施術して、反応をみて、そこからどういう状態になっているかを推測する手法です。
ここでは何を鑑別するかと言うと、イリタブルかどうかです。イリタブルとは、簡単に申しますと、刺激に対して過敏かどうかという事で、確か理学療法畑で使われている用語だったように記憶しています。
先ず、少しの刺激量で施術してみて、その結果改善傾向が見られるようなならさらにその手技を推し進める、悪化傾向が見られるようなら別の手立てを考える、という具合です。
そのような回避策をとっても反応が強く出る人もいます。
好転反応の善し悪し
そして、これまた難しい問題なのが、好転反応が強く出た方が治りが早い人もいる、そして良くない人もいる、ということなのです。そもそも好転反応が強く出た方が良くない人の場合、それが「好転」反応なのかも疑問なところです。
そもそも好転反応(瞑眩)は科学的根拠はよく解らず、生理学的にはこうだ、神経学的にはこうだ、東洋医学的にはこうだ、といわれてもただ単に理屈をこじつけただけかも知れず、それが本当かどうかは誰もわかりません。
当院で一番多く見られる反応は、「とにかく眠くなる」ということです。次に「だるくなる」というものです。この二つはよく聞かれます。このときは、本当は体が変化のための休息を求めているので、寝てもらった方がよいです。
そのほか、瞑眩としては、排毒のため「吐く」「下す」「頻尿」「発熱」などが言われていますが、当院ではあまり見ません。
言われて焦るのが「痛みが移った」、「古傷が痛み出した」、「痛みの状態が変わった」というもので、「やり方間違えたかな?」と冷や汗モノです。しかし、一時的のその痛みが出てもそれが1~2日で消えると、最初の症状自体もなくなってしまう、というのもよく観察されるので、後で「あれ、瞑眩だったのか…」と解るといった次第です。
こういうこともあるので、経過観察が大事ということですね。
漢方では瞑眩を出すのは、未熟な証拠といわれているそうですが、自律神経免疫療法の福田実医師は、瞑眩は積極的に起こした方が治りが早いと講演会でおっしゃっていました。人によって考え方はそれぞれで、正解はないですね。また、受けてであるクライアント様ご本人も瞑眩を容認する人と、否定的な人といますので、そこも考慮しないといけません。
好転反応(瞑眩)はなかなか難しい内容を含んでいますので、また別の機会に検証していきたいと思います。
今回はこの辺で。
では。