禁煙支援

【今回の記事は以前、他のブログ掲載していたものを転載したものです(2014年3月初出)。】

 

photo credit: liormania via photopin cc

 

ニコチン依存症のメカニズム

脳の神経の伝達物質にアセチルコリンと言うのがあります。
このアセチルコリンとくっつくことによって活動する神経細胞の中に、ニコチンともくっつ事ができる細胞群があります。この神経細胞は活性化するとドーパミンの放出を促す作用があります。

前述のように、報酬系と呼ばれる快感を感じる脳内の神経ネットワークは、ドーパミンによって活性化されますので、ニコチンを摂取することにより、脳内でのニコチンと神経細胞との結合が増ると、脳内のドーパミン放出も増えます。

これが繰り返されると、今度はドーパミンとくっつく神経細胞の受け口(受容体と言う)が減少するという現象がおこります。そのため、このドーパミンを受けることで活動する神経細胞の、ドーパミンに対する感度が鈍ることになり、報酬系の働きが鈍ります。

すると、快感を感じる神経系の働きが抑えられたため、不快感が増してきます。すると、再びニコチンを摂ることでドーパミン神経系を働かせようとします。これがひどくなるとニコチン依存症と呼ばれる状態になります。

 

禁煙外来の治療法

従来の禁煙外来の実践法としては、ニコチンパッドやガムなどがありました。
これは、ニコチンを煙で吸い込むのではなく、ガムに含まれたニコチンを口内粘膜から摂取したり、皮膚に貼ったパッチから吸収し、徐々にニコチン量を減らしていき、タバコをやめた不快な禁断症状を軽減しながら、完全禁煙を目指すというものです。

この方法での1年後の禁煙達成率は、30%くらいと言われ、データによっては10%未満としている物もあるので、なかなか厳しそうです。副作用としては、悪夢を見ることがある、パッチの場合、皮膚がかぶれることがある、と言うがあります。

2008年から保険適用となった新しい薬として、バレニクリンというものが出てきました。
これは、ニコチンとくっつくことができるアセチルコリン作動性神経の神経伝達物質の受け口(受容体)にニコチンが合体する前に、くっついてしまいニコチンによる満足感が得るのを防ごうとします。また、バレニクリンがくっつくことにより、この神経細胞が少量のドーパミンを放出するので、離脱症状の不快感の軽減に役立つとされています。

この薬による1年後の禁煙達成率は正確なところは解りませんが、全体的には60%くらいではないかと考えられています。ニコチンパッチなどより効果的そうですが、副作用が色々と報告されているのが問題です。

アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)は、心血管系のリスクが少し増加する、と安全情報を発表しました。また、抑うつ、自殺傾向、意識低下・消失などの副作用があり、精神疾患を患っている方への服用は要注意です。

 

カイロプラクティックの禁煙支援

カイロプラクティックの手技や、ニューロオリキュロ・セラピーでは、エンドルフィンの放出を促すことにより、ドーパミン作動神経の働きを活性化し、報酬系の働きを促そうとします。そのことにより、ニコチン離脱症状を軽減し、禁煙がスムーズに行なわれることを目指します。

しかし、まったく吸いたくなる衝動が無くなる、と言う物でもないので、やはり一番大事なのは、ご本人の禁煙しようとする意思です。特に禁煙開始3日間が一番キツイ、と言われているので、そこを乗り越えるよう頑張ってみましょう。

カイロプラクティックの方法論では、薬を使用する副作用などの弊害がないので、安全です。
禁煙外来に以前通っていたが失敗してしまった方、薬の副作用が辛くてやめてしまった方、自然な方法で禁煙に挑戦したい方、に最適だと思います。

 

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